社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「あの人達は、ふたりとも本社から遠いから……いいタイミングだったんじゃないかな」

 ふたりは部署がおそらく離れるということを関根部長にはそれとなく伝えてある。

 斉藤さんには伝えないように言ったので、おそらくそれもあって同棲に踏み切ったんだろう。彼も彼女が心配なんだな。

 それを考えると俺は別に仕事上も彼女と一緒になる予定だから問題ないが、忙しくなって彼女のいる企画室にずっといることはできない。

 しかも役員となれば秘書が付く。彼女が知ったら怒りそうだから同棲したいのだ。だが、そのことはまだ彼女には言えない。
< 280 / 385 >

この作品をシェア

pagetop