社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 斉藤さんは真っ赤になって、恥ずかしそうにしている。可愛いなあ、もう。

 関根課長は格好いい上に、将来役員も噂されるぐらいの人だって文也さんが言っていた。安心丸に乗船って感じだよね。

「ほら、お互い本社とはかなり遠い所に家があったからね、どうせだから、結婚資金ためるためにも家賃を浮かすのに同棲はいいかなと……」

「ほら、そっちこそ結婚大前提じゃないのよ」

「まあ、確かに。でも私達、ずっと一緒にここ二年くらい仕事しているから大体相手がどういう人間か知っているし、そういうこともあるよ、絶対。知り合って三ヶ月のあなたたちと一緒にされたくはないなあ」

「ごもっともです。言っておきますけど、私は結婚同棲とか一ミリも考えていませんでしたから。今でも喧嘩してる」
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