社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「そうだけど。やっと終わったらしい。一緒に帰ろうって言ってるんだけど、いい?」

「どーぞ、どーぞ。丁度いいタイミングだったね」

「そちらのダーリンはどうしちゃったのよ?」

「彼はおそらくすごく遅くなると思う。なんか、本社の機構改正もあるらしくてお忙しいそうでーす」

 最後のお酒を彼女と乾杯して一気飲み。あー美味しかった。

 あ、関根課長が窓の外で手を振ってる。私はレシートを持って彼女の背を押した。

「今日はおごるから、先に行きなよ」

「うそ。ごめん。向こう行って、落ち着いたらまた飲もうね。そのときは私奢るから……」
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