社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「はい、どーぞ」

 にこにこする私を見てまた頭を抱えている。

「いつもなら、あげないとか言うくせに、飲むと恐ろしいくらい素直になるんだよな。これから俺の前以外で深酒禁止。マジでまずい。今までこれで誰かに食われたりしなかったのか?あり得ないだろ」

 実は、食われた経験が……いや、食われそうになった経験がある。否定できないところが悲しい。

 私は彼がブツブツ言うのを無視して、先にシャワーを浴びて出た。水を飲んで歯を磨いている間に彼もシャワーを浴びて出てきた。

「里沙」

「うん」

「あまり考えすぎるな。本社には俺がいる。大丈夫だ」
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