社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 私なんて、あのヨレヨレスーツの偽装スタイルでも堕ちた。はあ、私って……簡単なのかな?それってどうなのよ……やっぱり反省。

 驚くことに、文也さんらしき人物がいる。いつもと全てが違いすぎる。

 甘い笑顔を封印し、厳しい表情初めて見た。しかもビシッとスーツを着て、社長の斜め後ろに立っていた。

 まさか、文也さんって社長秘書だったの?私に向かって小さく手を振っている。驚いて固まってしまった。

 隣で斉藤さんが声をかけてきた。

「……ねえ、文也さんって何者なの?まさか、社長の秘書なの?」

「……し、知らない。でも、あそこにいるってことはすごく偉い人なんじゃないの?」
< 306 / 385 >

この作品をシェア

pagetop