社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「それにしても、鈴村さんってあんなにイケメンだったんだね。見るからにハイスペックのイケメン。あれは相当モテるでしょ。大丈夫?北村さん……」
「……」
確かにそうかもしれない。会社で彼がモテまくっているのを見る羽目になるとは思わなかった。というか、彼の仕事上の姿があんなに格好いいなんて驚いた。
研修を終えて帰り間際、彼からメールが入った。役員フロアの横にある秘書室へ来いと書いてある。嫌な予感しかしない。
秘書はもうやりたくないんだよね、正直。今回のことは結構ショックで、立ち直るのに時間がかかりそう。
自分が信じていたボスが不正の当事者だったなんて、自分の仕事を否定された気持ちで辛い。だから、秘書はもうやりたくないのだ。