社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「やっと会えた。嬉しいわ。あ、ごめんなさい。私は氷室陽樹専務の秘書をしています、氷室京子です。よろしくね」
「あ、よろしくお願いします。氷室さんってことはもしかして……」
「あ、そう。鈴村君の縁談相手だった妹じゃないわよ、って当たり前か、そこまで若く見えないわよね。ええっと、姉でもありません。残りは何でしょう?」
「奥さんですか?」
「はい、正解です」
可愛い。にっこり笑うその姿。クイズを出したりして私の緊張をほぐそうとしてくれる気遣い。素敵な女性だ。ノックの音がして彼が入ってきた。
「もう、鈴村君来るの早すぎよ。もう少し気を遣って、ゆっくり来てちょうだいよ」