社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「里沙さん。今日からよろしくね」

「京子さん、こちらこそよろしくお願いします」

 斉藤さんにも説明したところで、後ろから室長と話し終わった専務が来た。

「初めまして。おふたりのお噂はかねがね耳にしていました。会えて嬉しいですよ。君達には、鈴村や会計部長が財団で大変お世話になったようだね。ありがとう」

 明るい受け答え。そして輝く笑顔の美男子が挨拶してくれた。

 ああ、この人が賢人の親友で上司。なるほど……このオーラでは断れないかもしれないとなんとなく彼の気持ちがわかった。

 明るくて、それでいて相手をよく見ている。ごまかしがきかない。
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