社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 秘書が彼を迎えに来たので無視して立ち去ろうとした。すると、慌てた彼が私の腕をつかんだ。

 秘書の人がびっくりしてこちらを見ている。

「……なんですか、鈴村取締役」

「おい、怒るなよ」

「怒ってません。失礼します」

 そう言って、きびすを返した。彼は私を睨んでる。秘書が小走りで走ってきて彼の横顔を見つめている。
 
 私は相模さんという男性と組んで仕事をすることになった。歳は一緒で出身も地方だったので話が合う。

 ふたりでとりあえず京子さんのサポートをしながら専務の案件をあつかっている。
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