社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 つまり、彼がやっていた仕事だ。休憩しているときに、思いきって相模さんに聞いてみた。

「相模さん」

「ん?」

「文也さんって知ってます?名字がわからないんですけど、社長の横にいた若い男性です」

「ああ、佐藤文也さんね。あの人は社長の政策秘書みたいな懐刀だよ。鈴村さんが専務についてるでしょ。それの社長版。最近は別な人が社長についていて、今日みたいな日以外は別の仕事をしている」

「社長についている。以前から?もしかして、結構年齢上ですか?」

「そうだね。四十代だよ。四十五まではいってないと思うけど。どうだろ。若く見えるからなあ……」

 う、嘘でしょ?賢人はため口きいていたじゃない。あれはどういうこと?下手したら十歳くらい年上って事でしょ?えー。
< 334 / 385 >

この作品をシェア

pagetop