社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 ドアをバターンと閉めて出て行くと京子さんの怒り声。

 自分の役員室へ戻り、担当秘書の清水さんの顔を見た。彼女は二年目のまだ若い秘書。

 俺は秘書の統括もしていたようなものなので、若い子も指導して欲しいと担当にさせられた。

「清水さん、少し企画室へ行ってくるが後を頼む」

「え?企画室に行くんですか?私も行きたいです!」

「行きたいですって君は何もすることないだろ?」

 するとジロッと俺を睨んでいる。

「皆さんに、鈴村さんの秘書になったとご挨拶に行くんですよ。あちらとはお付き合いしないといけませんし……あちらの担当さんが誰になるのか聞いてこないと」
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