社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「おい、泣くなよ。どうして泣くんだ。それに目が真っ赤だぞ。どうしたんだ、まさか何かあって泣いたのか?誰にいじめられた?」

「だって……秘書の人達みんな綺麗で若くて、見ているとあなたとお似合いだもの。連絡はくれないし、もしかして悟みたいに浮気……」

 里沙は俺にしがみついてきた。彼女を抱き寄せて背中を撫でてやる。

「あんな奴と一緒にすんな!俺は浮気しないと言っただろ、忘れたのか?ったく、馬鹿だな。どうしてそんなに俺の彼女だという自信がないんだ?里沙は秘書連中よりずっと大人で俺の好みだ。大体俺が同棲したいとまで言ったのに忘れたのか?会社で交際を公表したいとも言ったぞ」

「だって……」
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