社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「あなたの部屋の方が広いけど、汚いのがいや。私の部屋でもいい?」

「わかった。でも日曜日は俺の方へ移動しよう。翌日俺のうちから出勤した方が近い」

「また?」

 彼女の手を取り、タクシーへ乗り込んだ。彼女の部屋へ戻ると、玄関先ですぐにキスをして、ベッドへなだれこんだ。俺は二週間分の愛情を彼女に注いだ。

「里沙、お前は誰にも渡さない。お前は俺だけのものだからな。特に、企画室の相模や福原達独身の若手には隙を見せるなよ。あいつら、お前のこと狙ってる」

 彼女の身体を優しく触りながら言い含めた。里沙より俺こそ、あいつらに嫉妬しまくりだ。

「……賢人」
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