社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「どうぞ」
『賢人、お楽しみ中だった?』
『お前は、全く……お前こそそうだろ?』
『僕はこんな時も仕事だよ。ちょっとね、気になることがあって里沙ちゃんを借りたいんだ』
『は?何言ってんだ?』
『いや、潜入じゃないから。うちの店でターゲットを呼ぶからお茶の相手をして欲しいんだ。彼女の顔はまだ知られていないから本社の奴と取引先相手だったらうまくいくと思うんだよ。表情や言葉の裏を読むことが出来そうだし、是非とも頼みたいんだ』
何言ってやがる。許すもんか。
『他にもいるだろ。お前の子飼いでなんとかしろよ』
『それがさあ、ターゲットが情報部の奴だから……』