社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「先輩、今度お昼一緒に行きましょうよ」
「うん。そうだね。また、ね」
私はエレベーターに乗り込むと携帯を取り出し、早速その噂の鈴木さんへメールをした。
「昨日はどうもお世話様。今朝の挨拶、仮面を被って昨日とは別人に化けていて驚きました」
鈴木さんに送る。すると、地下についたころピコンと音がして返信が来た。
「独自のコンセプトに沿って人物を作っているんだ。余計なこと言うな。里沙、今どこにいる?」
何なのよ、どうして急に下の名前を呼び捨て?はっきり言って昨日見た限りでは、性格は今日の見た目と正反対だと思う。本当に偽装してる。女子社員はおろか、専務も騙されてるっぽい。
「今、昨日の溶解の部屋へ向かってます。専務の話から少し確認したいことがあって……」
「何があった?教えてくれたら俺が調べる。君は首を突っ込むなと言っただろ。気をつけろ、俺もすぐに行く」