社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 そうは言っても社内で顔が売れてくるとそれもおしまいだろう。あの店は氷室の人が出入りする場だからだ。

 昼休み。

 今日は斉藤さんが午後半休。京子さんは家が近いので専務もいないことから一旦家に帰るという。

 家が近いとそういうことも出来るんだなあと思う。

 京子さんに挨拶をして立ち上がったところで同僚の相模さんから声をかけられた。

「北村さん。斉藤さんもいないようだし、今日は僕とランチにいかない?美味しい洋食屋さんを紹介するよ」

「……そうですね。わかりました」

 誰かと食事に行くときは必ず連絡しろと彼から言われていた。今日は突然だし、いいかなと思った。
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