社内捜査は秘密と恋の二人三脚
十分後、昼になった。ふたりで出ようとしたら後ろから声がする。
「北村さん、ちょっといい?」
ドアのところにもたれて両腕を組んでこちらを見ている賢人。びっくりした。どうして?
「……あの」
「あれ、鈴村取締役。もう、昼休みですよ。休み時間終わってからでもいいんじゃないですか?僕これから彼女とランチに行く所なんです」
相模さんが賢人に言ったら、賢人が身体を起こして私の所へ来た。
「相模君。申し訳ないけどね、彼女は売約済みだ」
そう言うと、賢人は私の腕をつかんだ。