社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「さっき京子さんが、今日は斉藤さんが帰るし、昼は君がひとりになると教えてくれたんだ。誰かに誘われるかもと言われたから、急いで走って見に来ればこの始末。里沙……いい加減にしてくれ」

「どういう意味です?鈴村さん。まさか、彼女と……」

 すると、後ろから相模君の上司の梶原室長が現れた。そして、相模君の肩をぽんと叩いた。

「相模君。この企画室にいるんだったらもう少し観察力がないとだめだな。北村さんを連れてきたのが誰なのか、そして彼女を見つめている彼の視線に気付かなかったとしたら少しお粗末だ。気付いてないのは君と福原君ぐらいだな」

「ええ?!北村さん、本当なの?」

 私は何も言えず、じろっと賢人を見た。

「なんだよ?いいだろ。いい加減、俺も我慢の限界だ。一緒にランチへ行こうとしていただろ?」
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