社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「梶原の言うとおりだな。ここにいる奴は目端が効くことも重要なんだ。空気が読めない奴はまずダメ。そういう点で梶原がさっき言っていたことは大切なことなんだよ」
「そんなことはどうでもいいです。もう、わかったから。ああ、お腹すいたー」
「……ぷっ。おかしな奴。よし、食事に行こう」
「賢人、午後の予定は大丈夫なの?」
彼は腕時計を見て、私の腕を引っ張った。
「二時から会議だ。急ぐぞ」
「ねえ、やっぱり会社の近くに家を借りようかな……」
「は?どうした急に……」