社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「そうだろ?決算のときも彼にいてもらえたら、僕は相当楽できそうだよ」

 私はもう一度頭を下げてそこを後にした。地下へ行こうとしたら、電話がかかってきたので対応していたら遅くなってしまった。急いでカートを引いてエレベーターに乗ると地下へ降りた。

 地下の溶解する書類をまとめておいている部屋へ入る。ここは、鍵が必要。秘書は皆持たされてるが、各部署は部長から許可証をもらって借りてくるしかない。

 重要書類も多いので、事前に申請や許可がないとここには入れない。

 新人さんが荷物運びとして使われていることもあるが、彼らはここの意味をあまり知らない。働いているうちに、ここへ来られる人は限られてくる。

 最近この部屋から重要書類を盗まれた事件があってからというもの、警戒して保管方法を変更した。特にここの扱いに気をつけるように役員から秘書宛に通達が来ているのだ。

 あれ?ドアが少し開いている。誰かいるのかな?きちんと閉めればロックされる仕組みだ。それにきちんと閉めるように最近は通達がされている。
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