社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「おい、こっち側ブラインド下げろ」

 そう言われて、フロア側をブラインドを下げた。かえって目立たないかしら?

「あー、背中が痛い。くそっ。で?どうした?」

 猫背だったのに、ブラインドを下げた途端身体を伸ばしている。

「……これを見て。今朝、専務は本社へ急に行ったんだけど、これを今日の溶解で捨てるように頼まれたの。中身見るなと書かれてたんだけど、開けてこっちの箱に詰め直した。あなた、必要になりそうでしょ?」

 彼はこちらに歩いてくると中身を持ち上げて確認した。そして、じっとしばらく書類を確認してから私を見た。

「里沙。お前、どこまで知ってる?これを俺に連絡してきたということは、この担当者が怪しいということまでわかってるんだろ?」

 そうね、まあ、そうなるわよね。
< 64 / 385 >

この作品をシェア

pagetop