社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「当たり前だ。君のことも疑いはじめている可能性もあるし、俺が入ったことで何か感付いて用心をはじめたんだ。自分で箱を詰めたということはそういうことだろ。残念ながら畑中専務はクロだな」

 確かに、そうかもしれない……。信じられない、あんなに私には優しい人だったのに……。

「それなら、私は何をすればいい?」

「とりあえず、この二人に関する書類を抜いて、同じ宛先だけ集めよう」

「わかった」

 二人で黙々と書類の中身を分けて確認していく。頭の中で金額を累計していくとすごい数字になった。

 これって架空請求?書類見た限りではそうとしか思えない。領収書がない。そのことを彼に指摘する。
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