社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「部長にはずっとここの様子を探ってもらっているんだ。ここは財団なので、普通の会社とは違って非営利団体だ。だからこそ本社の目を盗んで何かする奴が出るかもしれないと心配していたんだ。こんなことになるんじゃないかと思って彼をここへ配属したんだよ」

「それが当たった訳ね。嬉しいような、悲しいような……」

 つまり、鈴木さんは人事に介入できるくらいの権限のある人ってこと?まだ若いのに、どういうことなの?本社でこんなことを任されるってどういうことだろう。本当はすごくイケメンだし、中身もおそらくハイスペックなんだろうな。どうせ聞いても教えてくれないのよね。

 彼はすごい勢いで段ボールに書類を詰め替えて、蓋をすると持ち上げた。

「え、どこに持って行くの?」

「この間の箱と同じ場所」

「それって、どこなの?」

「秘密」
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