社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「はい。ああ、どうだった?やはりそうか。いや、わかった。忙しいのにありがとう。こちらも今から帳簿を確認する。ああ、あとで……」

 電話を切ると、私を見た。

「何?」

「部長からだった。畑中専務が急に外出したのでつけて行ったら、峰山と長田に合流して食事しているそうだ」

 ということは、やっぱり……。本当にがっかりだ。

「間違いないな。とにかく、今のうちに帳簿をよく見て全体像を確認しよう。手伝ってくれ」

「ええ」

 私達はひたすら書類を確認して、取引相手を探し出した。
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