社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「そうだな。俺も役員連中にここと繋がりがないか確認する」

 私は書類をおいてため息をついた。

「どうした?大丈夫か、疲れているなら少しそこで休んでいろ。後は俺がやる」

 ソファを指さして言う。

「うん」

 立ち上がろうとしたらふらりとして、彼に抱き留められた。

「おい、里沙。お前、大丈夫か?」

 彼にもたれてしまった。顔を上げられない。彼の背中に回った手が私を抱きしめた。そして、膝に手を入れて抱き上げるとソファへ運んでくれた。
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