社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 覆い被さって私をじっと見つめた。

「里沙」

 私は彼の首に両手を回して、引っ張ると自分から彼に軽く合わせるだけのキスをした。

 こんな衝動は初めてだった。自分でも驚いた。でも……欲しかったのだ。

「……っ!里沙」

「……謝らないで」

 彼の唇に人差し指を当てて微笑んだ。すると、眼鏡の奥であのときのように彼の目が光った。

「……っ!」
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