俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
「大丈夫ですよ、社会保険事務所に問い合わせるだけですから」

しばらくして北山先生が戻ってきた。

「立木さん、会社を辞めたことになっていませんよ、だからこの保険証使えますよ」

(なんで?もしかして廉也さん?)

胸が熱くなって涙が溢れてきた。

桂木廉也、簡単に忘れられる人ではない。

今すぐ、会いたい、会って抱きしめてほしい、想いはどんどん膨らんでいく。

「大丈夫ですか?」

北山先生は私の態度から唯ごとでないと感じた。

ずっと我慢してた想いが溢れて止まらなかった、北山先生はずっと肩を震わせて泣いていた私の手を握ってくれていた。

どれ位の時間が経っただろうか、泣き疲れていつの間にか眠ってしまった私は、廉也さんの名前をうわ言のように呼んでいた。

目を覚まし、ずっと手を握ってくれていた北山先生を見つめた。

「すみません」

私は慌てて手を引っ込めた。

「あっ、僕の方こそすみません」

北山先生は恥ずかしそうに下を向いた。

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