俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
「それじゃあ、廉也を思いながら一人で生きていくんですか？」

「廉也さんのことは忘れます」

私は言葉では忘れると言ったが、忘れることは出来ないと思った。

私は北山先生に退院の許可が貰えず、しばらく診療所の手伝いをしながら、貧血と自律神経の乱れの様子を見ることとなった。

その夜北山先生のスマホが鳴った。

廉也からの着信だった。

「健志、久しぶりだな、元気だったか？」

「ああ、廉也も元気そうだな」

「俺？元気じゃねえよ、早速本題に入る、みゆはどうなんだ、病状は？」

「僕の側に居れば病状は安定しているが、廉也の側だと無理だな」

「はあ？何訳の分からないこと言ってる」

「橘不動産の社長が立木さんを迎えに来たんだ」

「えっ？橘龍司が？それでみゆはまだそこにいるんだろうな？」

「大丈夫だよ、東京へは帰らないと彼にはっきり言っていたよ」

「そうか」

「東京に帰らないって、廉也の元にも戻らないってことだよ」

「みゆがそう言ったのか」

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