俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
廉也の病室に食事を運ぶと、いつものように「ありがとう」と微笑んでくれた。

「総務部の皆は元気ですか?」

「ああ、頑張ってくれてるよ」

「そうですか、皆に迷惑かけてしまって、心苦しいです」

「俺がもっとみゆに気遣い出来てれば、すまない」

「廉也さんはわる……すみません、桂木さんは悪くないです」

「いいよ、廉也で……俺もみゆって呼んでるし」

「でも……」

「みゆ」

廉也さんと私は見つめ合った。

愛し合った時が走馬灯のように脳裏に蘇る。

どちらともなく、二人の距離は近づき、唇があと数センチのところで「みゆちゃん」と北山先生が私を呼ぶ声が聞こえた。

ビクッと身体が反応し、我にかえった。

「はい」と返事をして病室を後にした。

私、今何を……手の震えが止まらない。

「みゆちゃん、どうした?」

私の手の震えに気づいて北山先生は私の手を握ってくれた。

「大丈夫?ごめん、僕がみゆちゃんに頼り過ぎたかな?」

「大丈夫です」

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