副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない
そこからはもう、しばし賢者タイムだ。
もう。うん。みなまで言うな。
ようやく、冷静になり、何事もなかったように、リビングに向かった。
「涼太!おかえり!」
栄麻がソファーから振り返って声をかけた。
「あぁ。ただいま」
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを一気に流し込む。
俺は、風呂上がりは少し冷めるまで、下しか履かない。
栄麻もいるし、と思ったけど、別にアイツは俺を男として見てないし、気使う事もないか。
と思って、いつも通りタオルを肩にかけて上半身裸でリビングに入った。
ほらな。
アイツは、案の定俺の裸を見たところで、何の反応も示さない。
これが現実だ。
何を一方的に、傷ついてんだ。