副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない


ドタドタドタドタ!!

バン!!

「栄麻!!どした!!呼んだか!?」


まさか、返事が返ってくると思わなかった私は、驚いて涙も拭かずに、振り向いた。

「んえ!?涼太ぁ!?あれ?帰ってきてたの!?」

涼太が私の顔を見た途端に、飛んできた。

「何があった!?何で泣いてる!?あのクソヤローか!?」

それは、すごく心配した顔で。
クソヤロー?あ、進?
そして、そっと指で涙を拭いてくれた。
優しすぎるよ涼太。

「うーーー!!涼太ぁーー!!」

私は、サンドウィッチを両手に持ったまま泣いた。

「おい。どうしたんだよ。」

よしよしと、頭を撫でてくれる。


「涼太ぁー!!美味しいー!!嬉しいー!!泣けるー!!」

デカい声で、叫んだ。

「は?」

「私、初めて食べたの。家で。誰かの手料理。私のために用意してくれた朝ごはん。ずっとひとりだったから」

なんか、口に出したらまたポロポロ泣いてしまった。
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