副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない


どれ。

まず、あのトンチンカン発言は置いておこう。

ふぅー。
ソファーにドサっと座る。

こんなふうに、いってらっしゃいとか玄関で見送るなんてな。ッフ

しかし驚いた。

帰ってくるなり、栄麻は俺の名前を叫んで泣いてた。
てっきり、あのクソヤローの事を思い出して泣いてるんだと思った。

まさか、あんな適当に作った朝飯に感動して泣いてるとは思わなかった。

栄麻は施設育ちだ。
高校卒業後からは、誰にも頼らず1人で必死に生きてきたんだろう。

きっと、明るい性格と、要領の良さで、自分の育った環境を卑下する事なく、必死なのも気付かず、1人でいろんな選択をしながら、たくましく生きてきたに違いない。

あいつは、間違いなく自立した女性だ。

ただどっか抜けてっからな。

だからか?あんなクソヤローと結婚する所だったよな?
アイツこそ、騙されちゃってたよな?

危ねぇ。


< 139 / 200 >

この作品をシェア

pagetop