副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない
戻れば早々に、アイツらはニヤニヤ気持ち悪い顔を向けてきた。
無視だ無視。
「やっぱり、栄麻ちゃん、美人だよな?」
仁が言う。
「おい。俺のだぞ。手だすなよ」
「まだだろ?」
「あ?」
「なーんてな!!ははは!慌てすぎだ兄貴」
クソ!!
「仁!!」
「おーこわっ!」
仁は、わざとらしく肩をすぼめる。
「なんか、番犬とか言ってなかったか?」
塁が口を開く。
だからよ。またトンチンカンな事言ってたよな?
「それがよ、なんか今朝家出て行く時も、訳のわからん事言ってたんだよな。」
「なんて?」
純平が聞く。
「俺が変な人に騙されないように、私が守る」
???
だよな?俺だけじゃないよな?
みんな、まばたきを繰り返す。
「な、何かの、暗号かなんかか?」
仁が言う。
「全くもってわからん。んでさっきも、急に番犬とか言い出すし。アイツなかなかだろ?」
みんな、やっと納得したのかウンウンと頷いている。