副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない

その人は、男の手を払って、私を見つめてる。
たぶん。
私はめちゃくちゃ目が悪い。


わかるのは、

たぶん日本人だ。
でも、かなり英語を流暢に話せるみたい。
180㎝は余裕である長身。
肩幅は広くシンプルなティシャツからでも逞しさがわかるシルエットだ。
髪は黒くサイドが短く、トップは短めで七三にパキっとわけてある感じだと思う。
たぶん。雰囲気的に。

顔は、、、、ダメだ。ボヤけて見えない。

「待たせたな。」

そう言って、頬にキスをしてきた。


ちょっと!!何すんのよ!!

とまさかの行動に驚いて怒鳴りそうになったが、その人の目が、
"合わせろ"と言っている。
気がした。たぶん。見えないけど。

すかさず、理解した私は

「ほ、本当よ!おかげで、ナンパされまくっちゃったじゃない!!もう!!」

そう言って、その人の方に駆け寄る。

「行くぞ」

そう言って、その人は私の肩に手を掛けて、髪にキスを落とし、私をその場から連れ出した。

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