副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない

〜涼太side〜


何も言わずにグイグイ歩みを止めない俺に

「ちょ!!ちょっと!!」

と俺を見上げて何かごちゃごちゃ言ってるけど、俺はそれどころじゃなかった。


あのクソヤロー。
俺の花子に、わけのわからない事ばかりほざきやがった。

今にも、引き返して、殴ってやりたい衝動を何とか堪えていた。

クソっ!
花子が目の前にいるから、怖がらせまいと何とか最低限に留めたが、ちくしょう。

やり直そうだ?
もらってやる?
ふざけんな。

我慢だ。俺。
花子の前だ。
花子が一番、傷付いているはずだ。
落ち着け。

何度も何度も自分に言い聞かせる。

そして、信号待ちになりやっと落ち着きを取り戻した俺は、花子を見た。


「大丈夫か?」

花子は、急に話しかけられて驚いてるようだ。

「た、助けてくれて、ありがとう涼太」
そう言って、俺を見上げた。


ヤバい。
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