副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない
「栄麻ちゃん?よ、よろしくね!
何飲む?」
俺から、花子と聞いていたから、仁は驚いたようだが、そこは割と空気の読める弟は、ツッコむ事はしなかった。
「栄麻?何飲む?」
俺から、急に本名を呼ばれて驚いてる。
向こうで咄嗟に偽名を名乗ったのも、俺みたいな素性も知らないヤツには、名前なんて教えたくなかったのだろう。
「涼太と同じのにする」
なのに相変わらず、かわいい事を言う。
「おけ、んじゃよろしく」
そして、仁は頷くとカウンターに戻って行った。
間もなく、仁がドリンクを持ってきた。
「ごゆっくりどうぞ」
「ああ。さんきゅ」
仁。そのニヤニヤをやめろ。
伝わったのか、すんなりカウンターに引っ込んで行った。