副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない
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〜涼太side〜
「はぁー!!気持ちかったー!!
最高だね!涼太!!」
そう言って、風呂上がりの栄麻はホカホカさせて首からタオルをかけて、まだ濡れた髪を拭きながらリビングに入ってきた。
メガネも新鮮だ。
「おま!!下はけよ!!」
「え?履いてるけど?」
そう言って、ペロっと上のデカいTシャツをめくった。
俺はもう、絶句だ。
何の試練だこれは。
毎日、これ見せられんのか?
アイツは、俺の気なんか知りもせず、冷蔵庫を開けてフルーツウォーターを取り出して、グラスに注ぐ。
「これ、涼太と一緒にいる時買ったんだから、上下セットなの知ってるでしょ?
変なのー」
なんて言いながら、グビグビ水を飲んだ。
耐えろ。反応すんなよ!俺!
アイツは、俺を意識してないから、ここに住むんだから。
自分に言い聞かせる。
言い聞かせておいて、ちょっと落ち込む。
「髪も早く乾かせよ?俺も風呂」
そう言って、俺も風呂場に逃げ込んだ。