猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
やっぱり、弟さんだったんだ。
顔が似ていると思っていた。

「それでこっちが弟の奥さんと、子供。生まて何ヶ月かの頃この部屋につれてきて、哺乳瓶でミルクをあげたんだ。ほら、これがその時の写真」

うんうん。
尚美は隣で頷きながら話を聞く。

そしてその哺乳瓶を今でも大切に持っていることも、知っている。
「本当に懐かしいなぁ」

健一が思い出に浸っていたタイミングで玄関チャイムが鳴らされた。
ハッと警戒して玄関へ向けて走り出す尚美。

玄関を開けてはいけない!
「ミャアミャア」

鳴いて叫んで、足に絡みついて引き止める。
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