猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
が、「ちょっと待っててねミーコ」と言われてひょいっと横に避けられてしまった。
「ミャア!」

ダメェ!
と叫んでみても通じない。

玄関の鍵はいとも簡単に開けられてしまった。
「こんばんは」

ひょっこり顔を出したのは思っていたとおりあの女で、尚美は警戒心をむき出しにして牙を向いた。

フー!と息を吐き、毛を逆立てる。
「山内さん、こんばんは」

それなのに健一は気がついてくれない。
ニコニコと愛想笑いなんかをしている。

「これ、今度はミーコちゃんに」
と、差し出された白い紙袋を嬉しそうに受け取っている。
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