猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
さっさと逃げ出せばいいものの、尚美はその場でしばらく放心状態になってしまった。
それくらい心地良いと感じてしまったのだ。

「ミーコ。山内さんは雑誌の編集者なんだ」
山内の腕の中で呆然としていたミーコへ健一が話し掛ける。

編集者?
ミーコは山内を見上げてみた。

どうりでどこか芯の通った強さを感じると思った。
雑誌編集者とは結構ハードな仕事だということだけは、知識として知っていた。

「今度雑誌にミーコちゃんのことを取り上げさせてほしいのよ。火事を救った英雄として」

え……?
ミーコはその場でまばたきを繰り返した。
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