猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
ぽかぽかと心地酔いようきについ目が細くなってきたとき、5羽ほどのハトがバタバタと音を立てて飛んできた。

咄嗟に身構えて威嚇する。
猫の本能に従って鳥を取りたいという気持ちがムクムクと膨らんでくる。

よく太ったハトたちはそんなミーコには見向きもせずに地面に落ちているなにかをついばみはじめた。

「やぁ、こんにちは」

そんな声が聞こえてきて健一と一緒に視線を向けると、そこには頭と両肩にハトを乗せた60代くらいの男性が立っていた。

男性は右手にハトの餌の入った袋を持っている。
なるほど、この人が木多からハトがいきなり近づいてきたようだ。

「こんにちは、餌やりですか?」
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