猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
甲高い声で鳴いてみても寝室から健一が出てくる気配はない。
ベッドからも下りていないのだろう、なんの物音も聞こえてこなくて怖いくらいだ。

「ミャアミャア!!」
立て続けに鳴いて健一を起こそうとするけれど、やはり寝室からは少しの物音も聞こえてこない。

あるいは、もうすでに健一は目覚めているけれど、ベッドから起きれない状態になるのかもしれない。

そう思うと昨日の顔色の悪さを思い出して焦り始める。
次のスヌーズでも目を覚まさなければどうにかして寝室に入らなきゃ。

ドアを爪で引っ掻いたりミャアミャア声を上げながら待っていると再びアラーム音が聞こえてきた。

スヌーズだ!

健一が起きてくることを期待して待っているけれど、やはり寝室から物音は聞こえてこない。
< 130 / 219 >

この作品をシェア

pagetop