猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

管理人さんが呼んでくれた救急車は15分後にはマンションの前に到着していた。
タンカーに乗せられた健一と一緒に尚美も部屋を出てエレベーターに乗り込んだ。

救急車に乗ることはできないと思っていたけれど、そこは子猫の特権だ。
身を隠して滑るこむことに成功した。

救急車がけたたましいサイレンを鳴らしながら一目散に病院へ向かう。

その間に健一は血圧を測ったり酸素濃度をチェックされたり、さまざまな処置が施されていく。

お願い、助かって……!
尚美はベッドの下に身を隠しながら必死にそう願ったのだった。
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