猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

夢から目覚めることを期待して目を閉じたものの、外は寒くてそう簡単に眠れるものではなかった。
仕方なくベンチの下から這い出してきて公園を出る。

本当なら今頃カレーを食べているはずなのに、どうしてこんなところをさまよっているんだろう。
さっきから行く宛もなくフラフラ歩き回っているだけなので、体力も限界が近い。

それにカレーのことを思い出してしまってから無性にお腹が減ってきた。
なんでもいいから、なにか食べたい。

そんな気持ちで歩いていると、ふと見慣れた景色の中に出てきた。
ここはオフィス街で、尚美が毎日のように通勤しているビルの近くだった。

フラフラとさまよい歩いているつもりだ、つい自分の慣れた道を歩いていたみたいだ。
でも、こんなところに来ても食べ物にありつくことはできない。
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