猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

それからまた検査をされて、やはり健一は入院することになったようだ。

ひとり暮らしということもあってこのまま帰宅することがはばかられた健一には、すぐに病室があてがわれた。

それでも一旦帰って入院準備とかが必要になるはずだ。

そう思っていると健一がどこかで電話をかけに行き、戻ってくるとこっそりミーコを服の中に隠してエレベーターに乗り込んだ。

「俺の病室は302号室なんだって」
エレベーターには他に人がいなくてそう教えてくれた。

どうやらこのまま病室に行くつもりみたいだ。

自分まで病室へついていって大丈夫だろうかと心配になったけれど、そこは個室になっていて他に患者さんの姿はなかった。

それならひとまずは大丈夫だろうと、キレイに掃除された床に下りる。
「ちょっと仕事しすぎたのかな」

ベッドに腰をおろした健一がため息を共につぶやいた。
その顔はやっぱり青白く、不健康に見える。
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