猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
「この子が俺の異変を大家さんに知らせてくれたんだよ」
健一はそう言ってミーコの体を抱き上げた。

「へぇ、そいつが?」
弟さんが珍しそうに尚美を見つめる。

似たような顔の3人にジロジロ見られてなんだか照れてきてしまった。

「朝起きてこない俺を心配して、ミャアミャアずっと鳴いてたんだ。きっと喉がかわいてると思う」

そう言われればそうかもしれない。
あれだけ鳴いたのに、今日はまだなにも飲んでいなかった。

必死過ぎて自分のことなんて全然考えていなかったのだ。
「それなら俺たちが預かるよ。裕太も猫好きだし」

「そうね。きっと喜ぶと思うわ」
裕太くんってきっと写真に写ってた赤ちゃんのことだよね?
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