猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

見れば見るほど豪華な家だ。

ミーコが通されたのか家人の生活スペースだったけれど30畳はあるような和室に重厚感のあるテーブルがドカッと置かれていて、座布団はクッションみたいにふかふかだった。

和室の奥には飾り棚が置かれていて、そこには高級そうなツボがいくつも並んでいる。
あれにだけは近づかないでおこうと、心に決めた。

「ミーコのトイレはここね。こっちはご飯を食べる場所」
裕太が健一の部屋から持ってきたミーコの道具たちをセッティングし始める。

幸いミーコはこの和室で寝起きすることになるみたいだ。
この広い屋敷内のあっちこっちを移動しなくてすむことにひとまず安堵する。

「あら、キャットタワーは縁側の方がいいんじゃない?」
義理妹さんがそう言ってふすまを開けると日がよく当たる細い縁側が現れた。
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