猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

人間の子供というのはどうしてこんなにパワフルなんだろう。
裕太くんは朝起きて夜眠るまでずーーっとミーコのことを離さなかった。

手を離すのは眠っているときとトイレに行く時くらいなものだった。

ミーコだってまだ子猫だから遊びたい盛りなのだけれど、さすがに1日中駆け回ることはできない。

夕方になればすっかり疲れて和室に置かれたミーコ専用のクッションでグッタリしている。

「ミーコ遊ぼう!」
休憩中にもかかわらず突然しっぽを掴まれてビクリと跳ね起きる。

しっぽは動物にとって大切なもので、前売れもなく触れられるととても困る場所でもある。

「裕太、しっぽを掴んだら可愛そうでしょ!」
と、義理妹さんが注意するものの、裕太はそれをすぐに忘れてしまう。

子供だから仕方ないのだけれど、これでは尚美もまいったものだ。
いつしっぽを握られるかわからないから、ずっと警戒していないといけない。
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