猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
裕太くんもなにかしらを感じ取っているようで、今日はおとなしく絵本を読んでいた。

柱時計のカチカチッという音だけがやけに大きく聞こえてきて、そのたびに尚美の胸には焦燥感が浮かんでくる。

まだ終わったという連絡は来ない。

皮膚を開いていてみて手術不可能だと判断された場合はすぐに縫合されるから、手術時間は短くなると聞いたことがある。

だから大丈夫。
時間が長いのは、うまく行っているからだ。

自分自身にそう言い聞かせた。
それでも重たい時間がすぎれば過ぎるほど不安は膨らんでいく。

だんだん健一に会いたい気持ちが膨れあがってくる。
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