猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
会いたい気持ち
病院までの道のりはわからない。
それでもいても立ってもいられなくて大きな門から外へ飛び出した。

途端に広い道路が広がっていて足を止める。

住宅街だからそれほど交通量はないけれど、こうして1人で外へ出たのは初めてで行き交う人々に驚いてしまった。

大丈夫。
1度公園まで散歩したことがあるんだから、それを思い出して歩けばいいだけだ。

でもあのときは関さんが一緒だった。
その思いを左右に首をふってかき消す。

1人でだって大丈夫。
大きな病院だから建物の隙間から見えるはずだ。

見えたら後はこの方角へ向けて歩いていけばいいだけ。
くじけてしまいそうになる心を叱責して足を前へ進める。
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